TREND~技能実習生から特定技能外国人に

 関わらせていただいている技能実習生監理団体において、2020年から大きな変化が発生している。技能実習2号生(3年間の実習満了者)から3号実習生(追加で2年の実習を行なうことができる者)に進まず、特定技能外国人として監理団体傘下外の企業への転職を希望する人たちの大幅な増加である。

具体的には、2号修了者の半数以上が転職を希望して、監理団体を離れるようになった。

この流れは、2019年冬に勃発した新型コロナ感染症の流行によってもたらされた。

2020年春、出入国在留管理庁は、日本への入国制限を開始したが、当然、それに伴って各国との往来便は限定的に運行されることとなり、小職が在留申請を取り次いでいる技能実習生2出身国インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国においても、早晩、往来便は制限され、中部国際空港では、やがて、国際便が全便運休された。

この事態を受け、出入国在留管理庁においては、在留期限が到来しても帰国便の確保が困難な人たちに様々な利便を図らざるを得なくなったが、技能実習生らに関しては、2号技能実習を修了後に「実習を行っていない職種現場への」「特定技能外国人としての」就労の道が開かれた。具体的には、実習生として、プラスチック製造会社で現場にでていた人たちが、例えばケーキを製造する工場での勤務が可能となった。(時限的措置であり、今後はできなくなる見込み。)


技能実習生の「職種枠を超えた特定技能所属機関への転職」である。つまり、技能実習生は、「特定技能外国人」として、3年間の技能習熟訓練を行っていない業種への転職を認められることとなった。

これは、在留資格「特定技能」を設置した当初、外国人の単純労働解禁を制限するために、政府が楔として打ち込んだ「職種限定措置」の枠組みに背くものだ。

具体的には、実習生をはじめとする実質的現業従事者を、国内のあらゆる現場で就労させないために、あくまでも、「一定の職能を備えた人材」に限り「一定の職能を有効活用できる就労先」に向かわせて我が国の産業発展に機動的に貢献してもらおうとする仕組みであったが、制度設計の厳格性ゆえになかなか運用が進んでいなかった。しかしながら、思いがけず、「コロナ禍」の影響によって、「職種の枠」という箍が外された格好になった。


いづれにしても、日本に残って様々な業種で働く外国人たちの、今日、明日、そして未来が明るいものであるように。

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