(opinion) 実習生たちに夢を聞く

~技能実習生に夢をきく~

縁があって、昨年から100名ほどの技能実習生に関する仕事をいただいている。

在留申請と共に、技能実習法で規定されている「法的保護講習」も在留申請に先立って、すでに5年ほど前から請け負わせていただいている。

この講習では、入管法、労働法等、実習生たちが守るべき法律と彼らを守ってくれる法律に関して講義を行うのだが、監理団体の要請で、日本語の勉強を兼ねているため英語などを使用せず、「小学生に話すような日本語でわかりやすく、ゆっくり話す」約束にしている。

なので、「かいしゃでは、なんようびからなんようびまで、はたらきますか?わかるひと!」などと、できるだけ彼らに発言させる機会を作るようにしている。これは、日本語を練習するチャンスを与えるとともに、講義中に眠くさせない効果もある。(小学校の授業と同じ)

ところで、先日、話のついでに「あなたの夢をおしえてください」といって、一人づつに発言を求めたところ、8名程度の受講生のそれぞれは、

「にほんごをたくさんべんきょうして、にほんごをおしえるせんせいになりたい」とか
「くににかえって、不動産さんのしごとがしたいから、おかねをためたい」
「子どもと一緒にくらすいえをたてたい」
「ざっかやさんをやりたい」

などと、各自、それぞれの夢を述べたが、そんなことに関して真剣に考えたことはなく、なんとなくその場で思いついた事を言った子もいたようにも思う。

もちろん、「本国に技術移転して国の発展に尽力したい」という思いはきっとあるだろうが(笑!笑!笑!)、だれも言わない。正直だ。

わたしの狙いは、自分の夢って何だろう?と考え、一応、宣言してみる機会をつくってあげることだった。

人間、「自分の夢」があるからどんな苦労も乗り越えられる、または乗り越えられると信じ進んでいけるとわたしは考えている。

20代の子たちが、知らない国にきて、自分の夢を実現するために3年間(または5年間)がんばって働いてお金を貯めたいと思っている。

あの子たちの夢は、これから様々に変わっていくかもしれないが、希望をもって一生懸命生きていく姿にわたしはエールを送りつづけたい。

依頼人たちの幸せを願うことが、この生業の目指すところであるとわたしは思っている。


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